【全国版】カニ直売所ガイド|産地別の旬・価格相場・安く買うコツを解説

冬の味覚の王様、カニ(蟹)。スーパーや通販でも購入できますが、現地のアメ横や漁港の直売所で買うカニには、また格別の魅力があります。

「圧倒的な安さ」「獲れたての鮮度」、そして何より市場ならではの「活気」があります。今回は、全国のカニ処をエリアごとにナビゲートし、それぞれの特徴やおすすめスポットをご紹介します。

目次

エリア別:カニの旬

「今、どこに行けば美味しいカニが買えるのか?」

カニの種類や産地によって、旬の時期は異なります。カニの種類によっては冬だけでなく、春や秋にも楽しめる直売所があるのがポイントです。

エリア・種類旬の時期特徴
北海道
(毛ガニ・タラバ)
通年(毛ガニ)
冬(タラバ・ズワイ)
毛ガニは産地を変えて通年楽しめる
タラバガニは冬がベストシーズン
北陸
(越前ガニ・加能ガニ)
11月6日解禁〜3月ズワイガニのトップブランド
黄色いタグが目印の高級ガニ
山陰
(松葉ガニ)
11月6日解禁〜3月西日本を代表するズワイガニ
身の詰まりと甘みが特徴
紅ズワイガニ
(香住ガニなど)
9月〜翌春深海に生息するカニ
漁期が長くリーズナブルで瑞々しい甘みが魅力

カニの種類・地域別ブランド

ズワイガニ

冬の味覚の王様「本ズワイガニ(オス)」は、水揚げされる地域によって呼び名が変わります。タグ付きの高級ガニはここから選ばれます。

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エリア都道府県一般的な呼び名有名なブランド・漁港名旬(目安)特徴
北陸福井県越前がに極(きわみ)
三国港、越前港など
11/6~3/20黄色いタグが目印。皇室献上ガニとしても有名。国内トップクラスの知名度。
石川県加能ガニ輝(かがやき)
橋立港、金沢港など
11/6~3/20青いタグが目印。橋立漁港産は特に評価が高い。最高級品は「輝」の称号。
富山県本ズワイガニ新湊産、魚津産11/6~3/20「新湊きっときと市場」での昼セリが有名。紅ズワイの方が有名だが本ズワイも良質。
新潟県本ズワイガニ越後本ズワイ11/6~3/20新たなブランドとして基準を厳格化。泥を吐かせてから出荷するため身が綺麗。
関西京都府松葉ガニ間人(たいざ)ガニ
舞鶴かに
11/6~3/20「間人ガニ」は小型船で日帰り漁を行うため鮮度が抜群。入手困難な「幻のカニ」。
山陰兵庫県松葉ガニ津居山(ついやま)かに
柴山(しばやま)がに
浜坂産松葉がに
11/6~3/20漁獲量日本一を誇るエリア。柴山港では100以上のランク分けを行う厳しい選別で有名。
鳥取県松葉ガニとっとり松葉がに
五輝星(いつきぼし)
11/6~3/20最高級ブランド「五輝星」はギネス記録になるほどの高値が付くこともある。
島根県松葉ガニ隠岐松葉ガニ11/6~3/20隠岐の島周辺の豊かな海で育つ。身入りが良く大型のものが多い。

毛ガニ・紅ズワイガニタラバガニ花咲ガニタカアシガニ

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カニの種類主な産地・エリアブランド名・通称旬(目安)特徴
毛ガニ北海道(全域)オホーツク産
(枝幸、雄武など)
噴火湾産
(虎杖浜など)
通年
(産地リレー)
春はオホーツク(流氷明け)、夏は噴火湾、冬は日高・十勝など、
場所を変えて一年中楽しめる。
岩手県宮古の毛ガニ冬~春北海道に次ぐ産地。身が詰まっており濃厚。
紅ズワイガニ兵庫県香住(かすみ)ガニ9月~5月養分豊富な深海で育つ。本ズワイより瑞々しく甘みが強い。
比較的リーズナブル。
富山県高志(こし)の紅ガニ9月~5月「富山湾の宝石」と呼ばれる。最高級ブランド「極」もある。
タラバガニ北海道稚内、網走など冬~春国産は非常に希少(市場の多くはロシア産)。稚内港などが有名。
花咲ガニ北海道(根室)根室産花咲ガニ7月~9月夏が旬のカニ。濃厚なコクと独特の風味。
茹でると真っ赤な花が咲いたようになる。
タカアシガニ静岡県戸田(へだ)産9月~5月世界最大のカニ。西伊豆の戸田地区が名物。

エリア別:全国のカニ直売所・市場

① 北海道エリア

タラバガニ、毛ガニ、花咲ガニなど、種類が豊富なカニの聖地です。

札幌場外市場や函館朝市など、観光客向けの巨大市場が多く、初心者でも買い物がしやすいのが特徴です。

【価格相場の目安(2024-2025)】
タラバガニ(1kg):10,000円〜15,000円
毛ガニ(1杯):8,000円〜12,000円

主要スポット

札幌場外市場、小樽三角市場、函館朝市、釧路和商市場など

② 北陸・甲信越エリア

福井の「越前ガニ」、石川の「加能ガニ」など、タグ付きの高級ブランドガニが並びます。

贈答用や、特別な日の贅沢にぴったりの最高級品に出会えます。

【価格相場の目安(2024-2025)】
越前ガニ・加能ガニ(1杯):15,000円〜30,000円
香箱ガニ・セイコガニ(メス):1,500円〜3,000円

主要スポット

近江町市場(金沢)、新湊きっときと市場(富山)、日本海さかな街(福井)、寺泊魚の市場通り(新潟)など

③ 山陰エリア

「松葉ガニ」の本場であり、水揚げ量が非常に多いエリアです。

漁港直結の直売所が多く、活気あふれる雰囲気の中で、新鮮なカニを安く購入できます。

【価格相場の目安(2024-2025)】
松葉ガニ(1杯):12,000円〜30,000円
紅ズワイガニ(1杯):2,500円〜5,000円

主要スポット

境港さかなセンター(鳥取)、賀露市場(鳥取)、香住漁港(兵庫)、柴山港(兵庫)など

④ 関東・東海・その他のエリア

産地ではありませんが、全国のカニが集まる巨大市場や、特定のカニが有名なスポットがあります。

東京のアメ横や築地、大阪の黒門市場などは、年末の買い出しに最適です。

【価格相場の目安(2024-2025)】
タラバガニ(1kg):10,000円前後〜
※年末は価格が高騰する傾向にあります

主要スポット

アメ横(東京)、那珂湊おさかな市場(茨城)、焼津さかなセンター(静岡)、沼津港(静岡)など

失敗しない直売所での「買い方」マニュアル

直売所での買い物は楽しい反面、失敗しないか不安なもの。

ここでは、初心者でも安心して美味しいカニを選ぶためのポイントをご紹介します。

選び方のコツ

ずっしりと重いカニを選ぶ

カニを手に持った時に、見た目よりもずっしりと重みを感じるものは、身がぎっしりと詰まっている証拠です。

軽いカニは、脱皮直後で身入りが少なかったり、水分が多いだけの可能性があります。

甲羅が硬いカニは身入りがいい

甲羅が硬くしっかりしているカニは、脱皮から時間が経過しており、その間に栄養を蓄えて身が充実しています。

逆に甲羅が柔らかいカニは、脱皮したばかりで身入りが少ない傾向にあるため、避けるのが賢明です。

黒ずみがないか確認

カニの甲羅や足に黒い斑点(黒変)があるものは、鮮度が落ちている可能性が高いです。

これはカニに含まれる酵素が酸化することで起こる現象で、味や品質に影響が出ることがあります。

足折れや甲羅の傷は味に影響しませんが、黒ずみは鮮度のバロメーターとして注意深く確認しましょう。

持ち帰り・配送

鮮度を保つために、クーラーボックスを持参するのがベストです。

遠方の場合は、お店からクール便で直送してもらうのが安心です。

自宅での保存方法は、乾燥を防ぐために新聞紙などで包み、冷蔵庫で保存しましょう。

値切りのマナー

市場の醍醐味である値切り交渉ですが、すべてのお店でできるわけではありません。

「これとこれをセットにするから安くして」といったまとめ買いの提案や、閉店間際の時間帯などは交渉が成立しやすいです。

無理な値引きは避け、お店の人との会話を楽しむスタンスで臨みましょう。

直売所ならではの楽しみ「イートイン・浜焼き」

直売所の魅力は「買う」だけではありません。

多くの市場には食堂が併設されており、新鮮な海鮮丼やカニ汁を楽しむことができます。

また、買ったカニをその場で茹でてくれたり、浜焼きコーナーで焼いて食べられるサービスがある場所も。

「その場で食べる」贅沢も、ぜひ体験してみてください。

カニに関するよくある質問

カニが一番安い時期はいつですか?

一般的に、年末年始の需要が落ち着いた1月中旬〜2月頃が狙い目です。また、紅ズワイガニなどは漁期が長いため、春や秋でも比較的安価に購入できます。

カニで一番高級なのは?

ズワイガニの最高級ブランドである福井県の「越前ガニ(極)」や、石川県の「加能ガニ(輝)」などが有名です。1杯で数十万円〜数百万円の値がつくこともあります。

日本の三大カニは?

「タラバガニ」「ズワイガニ」「毛ガニ」の3つを指すのが一般的です。これに「花咲ガニ」を加えて四大カニと呼ぶこともあります。

カニを食べるなら何月が旬?

多くのカニ(特にズワイガニやタラバガニ)は11月〜3月の冬が旬です。ただし、毛ガニは産地を変えて通年、紅ズワイガニは9月〜翌春までと、種類によって異なります。

まとめ

全国には、それぞれの地域ならではの魅力を持ったカニ直売所がたくさんあります。

次の旅行は、美味しいカニを求めて「カニ旅」に出かけてみてはいかがでしょうか?

各エリアの詳細情報は、以下のリンクからチェックしてみてくださいね!

通販でカニを買う際は「カニ通販おすすめランキング」を参照ください。

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この記事を書いた人

全国の直売所・産直巡りが趣味で直売所ナビを立ち上げました。美味しい農産物が多くの人に渡り、日本の農業が豊かになれば幸いです。

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