【全国版】いちご直売所ガイド|産地別の旬・価格相場・安く買うコツを解説

春の味覚の代表格である「いちご(苺)」。スーパーや通販でも購入できますが、産地の直売所で買ういちごには、また格別の魅力があります。

「圧倒的な安さ」「採れたての鮮度」、そして何より農園ならではの「多彩な品種」に出会えます。

今回は、全国のいちご産地をエリアごとにナビゲートし、それぞれの特徴やおすすめスポットをご紹介します。

目次

エリア別:いちごの旬

「今、どこに行けば美味しいいちごが買えるのか?」

いちごの品種や産地によって、旬の時期は異なります。本来の露地栽培の旬は春から初夏(4月〜6月)ですが、ハウス栽培の技術向上により、現在では12月頃から5月頃までが主なシーズンとなっています。

エリア主な産地旬の時期
関東栃木県、千葉県、埼玉県12月〜5月
東海静岡県、愛知県11月〜5月
九州福岡県、熊本県、大分県12月〜4月
近畿奈良県、和歌山県12月〜5月
東北岩手県、宮城県1月〜6月

いちごの種類・地域別ブランド

とちおとめ(栃木県)

東日本で圧倒的なシェアを誇る定番品種です。栃木県農業試験場で育成され、1996年に品種登録されました。

円錐形で光沢があり、鮮やかな赤色が特徴。果肉も中まで赤く染まります。糖度が高く、ほどよい酸味があり、果汁が豊富で、甘みと酸味のバランスがとれた深い旨味が楽しめます。

比較的日持ちが良く、11月頃から6月頃まで出回ります。特に寒さが厳しくなる冬季(1月〜3月)は糖度が上がり、最も美味しく食べられる時期とされています。

あまおう(福岡県)

福岡県限定で生産される高級ブランドいちごです。その名前は「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字に由来し、「甘いいちごの王様になれるように」という願いも込められています。

大きくて丸みがあり、濃い紅色をしています。糖度が高く、しっかりとした甘さでジューシー。濃厚な味わいでありながら後味はすっきりしており、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴です。

12月頃から5月頃まで出回り、3月から4月頃が出荷のピークです。

紅ほっぺ(静岡県)

静岡県の主力品種で、全国的に人気の高いブランドです。2002年に品種登録されました。名前の由来は「果皮色が鮮紅色で美しく、果心部まで赤く、ほっぺが落ちるほどのコクのある食味」であることから名付けられました。

やや大きめの長円錐形で、つやのある鮮やかな紅色をしています。果肉は果心部も淡赤色に染まります。甘味が強く酸味もやや強めで、いちご本来の甘酸っぱさとコクを堪能できる品種です。香りも優れています。

12月中旬頃から4月いっぱいまで収穫され、1月下旬から3月初旬が最も味が濃くなる時期とされています。

ゆうべに(熊本県)

熊本県で人気の品種で、大粒で甘みが強く、果肉がしっかりしているのが特徴です。

あまりん(埼玉県)

埼玉県オリジナルの高糖度品種です。鮮やかな赤色ととろけるような舌触りが特徴で、12月から5月が収穫時期です。

とちあいか(栃木県)

栃木県の新しい品種で、丸みのある三角形、光沢のある濃い赤色をしており、濃厚な香りと控えめな酸味、際立った甘さが特徴です。

スカイベリー(栃木県)

栃木県が開発した大粒高級品種です。大きさ、美しさ、おいしさの3つが揃った「大空に届くようなすばらしいいちご」として名付けられました。

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エリア別:全国のいちご直売所・市場

① 関東エリア

全国1位の生産量を誇る栃木県を中心に、千葉県、埼玉県でも盛んに栽培されています。「とちおとめ」や「とちあいか」など、東日本を代表する品種の産地です。

観光農園が多く、いちご狩りと直売所での購入を同時に楽しめるスポットが充実しています。

【価格相場の目安(2024-2025)】

  • とちおとめ(1パック約300g):800円〜1,500円
  • 大粒いちご(1kg):2,800円〜3,200円
  • 訳あり品(1kg):1,500円〜2,500円

代表的な直売所・市場

  • 道の駅うつのみや ろまんちっく村(栃木県)
  • JAはが野 いちごの里(栃木県)
  • 船橋市内のいちご農園直売所(千葉県)
  • 袖ヶ浦市・君津市のいちご農園(千葉県)
  • 埼玉県内の観光農園直売所

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② 東海エリア

「紅ほっぺ」の本場である静岡県と、「とちおとめ」の栽培が盛んな愛知県が中心です。温暖な気候を活かし、11月から出荷が始まる早出し産地として知られています。

いちご本来の甘酸っぱさとコクを楽しめる品種が多く、直売所では完熟したいちごを手に入れることができます。

【価格相場の目安(2024-2025)】

  • 紅ほっぺ(1パック約300g):900円〜1,600円
  • とちおとめ(1パック約300g):800円〜1,500円
  • 訳あり品(1kg):1,500円〜2,500円

代表的な直売所・市場

  • JA伊豆太陽 直売所(静岡県)
  • 久能いちご海岸通りの直売所群(静岡県)
  • 道の駅 伊東マリンタウン(静岡県)
  • 愛知県内の観光農園直売所

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③ 九州エリア

高級ブランド「あまおう」の産地である福岡県を筆頭に、熊本県、大分県でも盛んに栽培されています。大粒で甘みの強い品種が多く、贈答用としても人気です。

温暖な気候により、12月から本格的な出荷が始まります。

【価格相場の目安(2024-2025)】

  • あまおう(1パック約300g):1,200円〜2,500円
  • ゆうべに(1パック約300g):900円〜1,800円
  • 訳あり品(1kg):2,000円〜3,000円

代表的な直売所・市場

  • JA筑前あさくら 直売所(福岡県)
  • 道の駅 うきは(福岡県)
  • 熊本県内の観光農園直売所
  • 大分県内の直売所

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④ その他のエリア(近畿・東北)

近畿地方では奈良県や和歌山県、東北地方では岩手県や宮城県でもいちご栽培が盛んです。各地域オリジナルの品種も開発されており、多様ないちごに出会えます。

【価格相場の目安(2024-2025)】

  • 各地の主力品種(1パック約300g):800円〜1,800円
  • 訳あり品(1kg):1,500円〜2,500円

代表的な直売所・市場

  • 奈良県内の観光農園直売所
  • 和歌山県内の直売所
  • 岩手県・宮城県の観光農園

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失敗しない直売所での「買い方」マニュアル

選び方のコツ

新鮮ないちごは、ヘタが濃い緑色でピンと立っており、果実全体が鮮やかな赤色をしています。

表面のツブツブ(種)がくっきりしていて、果実にハリとツヤがあるものを選びましょう。触ってみて、柔らかすぎるものは避けてください。

直売所では試食ができる場合も多いので、遠慮せずに味を確かめてから購入するのがおすすめです。店員さんに「今日一番甘い品種はどれですか?」と聞くのも良いでしょう。

持ち帰り・配送

いちごは非常にデリケートな果物です。持ち帰る際は、保冷バッグと保冷剤を必ず用意しましょう。

多くの直売所では、地方発送サービスを提供しています。遠方の方や大量購入の場合は、配送を利用すると便利です。梱包も丁寧にしてくれるため、贈答用にも最適です。

購入後は冷蔵庫で保存し、2〜3日以内に食べきるのが理想です。洗うのは食べる直前にしましょう。

値切りのマナー

直売所では、まとめ買いをする場合に値引き交渉ができることがあります。ただし、「○kg以上買うので少し安くなりませんか?」と丁寧にお願いするのがマナーです。

閉店間際や午後の時間帯は、売れ残りを避けるために値下げされることもあります。ただし、品揃えは午前中の方が充実しているため、良いものを選びたい場合は早めの訪問がおすすめです。

直売所ならではの楽しみ「いちご狩り・加工体験」

多くのいちご農園では、いちご狩りと直売所を併設しています。採れたてのいちごをその場で味わえるのは、直売所ならではの醍醐味です。

いちご狩りは通常、30分〜60分の食べ放題制で、料金は時期によって異なりますが、大人1,500円〜2,500円程度が相場です。

また、いちごジャム作りやいちご大福作りなどの加工体験ができる農園もあります。家族連れに人気のアクティビティです。

一部の農園では、イートインスペースで採れたてのいちごを使ったパフェやスムージーを楽しむこともできます。

いちごに関するよくある質問

いちごの保存方法は?

いちごは洗わずにヘタを付けたまま、冷蔵庫の野菜室で保存します。重ならないように並べ、ラップやキッチンペーパーをかけておくと鮮度が保たれます。

食べる直前にヘタを取り、流水でさっと洗います。長時間水に浸すと水っぽくなるので注意しましょう。

冷凍保存する場合は、洗ってヘタを取り、水気を拭き取ってから冷凍用保存袋に入れます。冷凍いちごはスムージーやジャム作りに最適です。

訳あり品は品質に問題ない?

訳あり品は、形が不揃いだったり、少し傷があったりするだけで、味や鮮度は正規品と変わりません

自宅で食べる分や、ジャム・スイーツの材料にする場合には十分な品質です。価格は正規品の半額程度になることも多く、お得に購入できます。

直売所と通販、どちらがお得?

直売所は、輸送コストがかからないため、新鮮で安価ないちごが手に入ります。また、珍しい品種や訳あり品に出会えるのも魅力です。

一方、通販は自宅まで配送してくれる利便性があり、遠方の産地のいちごも購入できます。ただし、送料がかかるため、まとめ買いでないと割高になることがあります。

いちごの食べ頃の見分け方は?

ヘタの近くまで真っ赤に色づいているいちごが食べ頃です。いちごは収穫後に追熟しないため、購入時の状態が最も美味しい状態です。

香りが強く、果実にハリとツヤがあるものを選びましょう。

地方発送は対応している?

多くの直売所では地方発送に対応しています。クール便での配送が基本で、翌日配送が可能な地域も多いです。

発送の詳細や料金については、各直売所に直接お問い合わせください。贈答用の化粧箱やのし紙にも対応している場合があります。

まとめ

全国のいちご直売所では、産地ならではの新鮮で甘いいちごを、お得な価格で購入できます。

主なポイントは以下の通りです:

  • 旬の時期:12月〜5月がメインシーズン、特に2月〜4月が最盛期
  • 価格相場:1パック(約300g)800円〜2,500円、訳あり品なら1kg 1,500円〜3,000円
  • 安く買うコツ:3月〜5月の最盛期、訳あり品、まとめ買い、午後の時間帯を狙う
  • おすすめエリア:栃木県(とちおとめ)、福岡県(あまおう)、静岡県(紅ほっぺ)

いちご狩りや加工体験も楽しめる直売所で、春の味覚を存分に堪能してください。ぜひ、お近くのいちご産地へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

全国の直売所・産直巡りが趣味で直売所ナビを立ち上げました。美味しい農産物が多くの人に渡り、日本の農業が豊かになれば幸いです。

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